PROJECT OVERVIEW
介護の記録を、家族の安心につなげる
介護職員による日々の記録と、離れて暮らす家族への情報共有を一つにつなぐスマートフォンアプリ「みまもりノート」のUI/UXを設計しました。
CURRENT SITUATION
現在の状況
介護職員は、利用者へ提供したサービスやその日の状態を、紙の記録票、Excel、事業所内の共有ファイルなどに記録しています。家族への情報共有には、電話、紙の連絡帳、SMSなどが使われています。
記録方法や共有内容は事業所・サービス・担当職員によって異なり、情報が複数の場所に分散しています。職員は過去の記録確認や家族向けの連絡内容を改めて整理・入力する必要があり、離れて暮らす家族も複数サービスから届く情報をまとめて確認できません。
SERVICE CONCEPT
開発を検討しているサービス
介護職員による記録と、利用者家族への情報共有を一つのサービスで行えるスマートフォンアプリです。職員が介護内容や利用者の状態を記録し、離れて暮らす家族が情報を確認して、必要なときに適切な相手へ相談できる状態を目指します。
職員
介護内容や利用者の状態を、負担を増やさず記録する。
家族
共有された情報を理解し、必要に応じて相談する。
今回の提案では、職員側の記録方法も考慮したうえで、家族が利用する画面と中心的な体験を重点的に設計しています。
DESIGN CHALLENGE
今回の課題
離れて暮らす家族が、利用者の状態を必要以上に不安になることなく理解し、必要なときに適切な相手へ相談できる体験を設計する。
- 家族が本当に知りたい情報と、最初に確認すべき情報を明確にする
- 日常的な報告と注意が必要な変化を区別し、小さな変化を伝える
- 次に取るべき行動を案内し、緊急連絡と通常相談を区別する
- 相談内容から、誰へ相談すればよいか判断できるようにする
- 通知過多を防ぎ、複数家族間で情報を共有できるようにする
- 利用者本人のプライバシーを守り、職員の入力負担を増やさない
REQUIREMENTS
検討事項と守るべき前提
必要性と優先順位を検討した機能
- 日々の介護記録、食事・水分・服薬・入浴などの生活情報
- 職員コメント、介護サービスの予定、体調や生活状況の変化
- 家族への通知、職員・ケアマネジャーへの相談、緊急連絡先
- 複数家族への共有、役割分担、家族ごとの通知・閲覧設定
- 一定期間の状態の振り返り、書類・利用明細の確認
設計上の前提
- 職員の二重入力を可能な限り発生させない
- 個人情報を安全に扱い、本人または代理人の同意を考慮する
- 立場に応じて閲覧・操作範囲を制御する
- アプリだけで緊急時の医療判断を完結させない
- 専門用語を家族向けの分かりやすい表現へ変換する
- 年齢やデジタル習熟度を問わず使いやすく、色だけに依存しない
- 通信エラー、情報がない状態、読み込み中も考慮する
すべての機能を盛り込むのではなく、発見した課題に本当に必要な機能を選び、家族の安心と職員の負担軽減につながる順に優先しました。
01 / PROBLEM DEFINITION
課題の整理
小さな変化を知りたい
何かが起きてから知ることへの不安がある。
相談先が分からない
緊急連絡先や担当者の連絡先が分散している。
情報が分散している
電話・紙・SMSなど、事業所やサービスごとに方法が異なる。
家族間で連携しづらい
一元化された仕組みがなく、個別に連絡・説明している。
記録を簡単にしたい
職員は介護記録と家族への連絡を二重入力している。
離れて暮らしていても、何かあったときに備えて状況を把握できることが重要なため、家族側の4課題をすべて優先して解決します。
02 / USER EXPERIENCE
ユーザー体験の設計
電話連絡を待つしかなく、日々の様子が不透明。何かあっても相談場所が分からない。
毎日アプリで状態を確認し、家族間でも共有可能。相談の必要性と相談先を判断できる。
安心できる/小さな変化が分かる/相談先が明確になる
二重入力と電話説明の手間を減らせる
家族満足度と業務効率を向上できる
03 / INFORMATION ARCHITECTURE
情報設計
情報の優先順位
- 今日の状態・安心度
- 前日との差
- 1週間の変化
- 1か月の変化
食事や睡眠などを○・△・×とラベルで簡潔に表示します。
通知ルール
- ○のみ:通知なし
- △が3日連続:通知
- ×または職員の詳細記載あり:通知
必要な変化だけを届け、通知疲れを防ぎます。
相談先の選択
気になる変化から相談内容を選ぶと、アプリが職員・ケアマネジャー・専門相談先などを自動提案します。
閲覧権限とプライバシー
主家族は日々の状態・変化・予定・職員コメント・相談履歴を確認。その他家族は主家族が許可した範囲のみ閲覧し、相談内容の共有可否も選択できます。
04 / UI PROPOSAL
UI提案
主要画面は、ログイン・ホーム・今日の様子・推移グラフ・相談・チャット・設定で構成。家族が状態を理解したあと、迷わず次の行動を選べる導線にしました。
一目で状態が分かる
食事・水分・服薬・気分を○△×とラベルで直感的に表示。
重要情報を最初に
今日の状態・気になる変化・今日の予定を優先し、詳細は必要なときだけ表示。
片手で操作しやすい
大きなボタン、シンプルな構成、少ないタップ数を意識。
通知を最適化
△の継続、×、職員の「要確認」だけを通知。
専門用語を使わない
「食欲低下」ではなく「最近、食事量が少なめです」と伝える。
次の行動が分かる
様子を見る・職員へ質問・相談・緊急連絡へワンタップで進む。
アクセシビリティ
大きめの文字、アイコンと文字の併用、色だけに依存しない表現。
主要画面間をつないだ操作可能なプロトタイプを想定し、状態確認から相談までの中心的な体験を検証できる構成にしています。
05 / DESIGN RATIONALE
提案の根拠
目的は「介護記録を見る」ことではなく、家族が状況を理解し、安心して次の行動を選べるようにすることです。
記録をそのまま見せても理解しにくい
○△×、短い要約、推移表示によって日々の変化を簡潔に伝えます。
毎日の通知は通知疲れにつながる
△が続いたとき、×、要確認のときだけ通知します。
相談先を自分で探すのは難しい
相談内容から適切な相手を自動案内します。
リサーチから得た示唆
- 家族が必要としているのは専門的な記録そのものではなく、状態を理解できる要約と判断材料
- 電話・紙・SMSへの情報分散が、確認の遅れと説明の重複を生んでいる
- 通知が多すぎると不安と負担が増えるため、変化の度合いに応じた制御が必要
- 職員側で新たな二重入力を生まないことが、継続利用の前提になる
制作中に改善した点
- 記録一覧中心から「今日の状態」と「気になる変化」中心へ変更
- 通常相談と緊急連絡を明確に分離
- 職員の追加入力を減らす自動要約・定型入力を想定
- 家族が次に取れる行動を各画面に配置
今後さらに検証すべきこと
- ○△×で状態が正しく伝わるか
- △は何日続いたら通知すべきか
- 相談先の案内と通知頻度は適切か
- 家族の安心につながるか
- 職員の入力時間を実際に減らせるか
BACK TO WORKS
ほかの制作実績を見る
Webサイト・LP・バナーなど、目的に合わせた制作事例を掲載しています。
制作実績へ戻る